
湯殿山山頂から朝日連峰を望む(撮影A)
※今回のブログは「manul」さんが作成しています※
・実施日:4月20日(土)~21日(日)
・天気:20日晴れ 21日晴れ
・リーダー:Katahira.S
・ランク:M2.5
・参加者:5名(うち1名はお試し参加、初日6名)
山形県庄内地方にある信仰の山、出羽三山の一つである、湯殿山に登ります。三山がそれぞれ現在、過去、未来の意味を持ち、うち湯殿山は生まれ変わりを果たす、未来にあたります。参拝としては、一般に湯殿山神社を詣でます。しかし登山としては、湯殿山は、実は雪で覆われる冬しか登頂が叶わない山なのです。春スキーでも有名な月山の近く、つまりは春でも雪が豊富!そしてKリーダーの、待望のアイゼン、ピッケル講習つきです。また今回は、リーダーのご友人の、山の大ベテランのI氏にも助っ人としてご参加頂きました。
【4月20日(土)】
雲のかかる晴れ。10時台の新幹線で優雅に首都圏を発ち、13時前に山形着。高速バスでまずは西川i.cへ。乗り継ぎのバスまで約40分時間があり、私達だけのバス停で、急遽ピッケル講習が行われました。

山形はちょうど春真っ盛り。バスの車窓から、川沿いの桜並木や、菜の花他、春の花々が咲き乱れる景色を楽しみました。町営バスで15時前に志津温泉に到着。
今回のお宿は、秘湯を守る会の旅館です。館内がとてもきれい。
部屋で一息の後、旅館近くの五色沼のほとりの緩斜面に向かいます。

積雪は2m位。皆で雪化粧の月山、湯殿山のお姿を拝みます。道端には開いたふきのとうが沢山生えています。I氏曰く、天ぷらにはこのくらい開いたふきのとうが最適なのだとか。地元の人が採るであろう、うども生えています。

早速明日に備えて、ピッケルの雪上訓練を実施。
ピッケルでのトラバースや、滑落停止訓練を行いました。

夕方宿に戻り、美肌の湯と言われる志津の温泉に浸かります。
夕飯までは、男性部屋で明日の打ち合わせ…という名目の軽い部屋飲み。マウンテンビューの部屋の窓から、雪山がゆっくりと暮れていく幻想的な景色を楽しみました。
夕飯はきれいな食堂で、春の山菜料理がホテルの懐石コースのように次々と運ばれてきます。米沢牛に鮎の塩焼、開いたふきのとうの天ぷら、こごみ、行者にんにくetc.。地元の日本酒も少量ついています。

食後は、明日の打ち合わせ第二段…?かどうか、部屋飲み第二段。
…と初日は、あまりにも快適で、すっかり極楽温泉慰安旅行気分でした〜。
【4月21日(日)】
快晴。本日は一転して登山モード全開。朝食抜きの6時宿発です。登山口に向かう道路は7時ゲート開錠のため、宿のそばから歩行開始。志津野営場を経て登山口に向かいます。

冬季閉鎖のネイチャーセンターで宿のお握りの朝食を食べ、支度を整えます。この間も複数のスキーヤーが先に入山していきます。我々もいざ歩行開始。
はじめは傾斜が緩いため、アイゼン無し、ストック使用で石跳川沿いを進みます。やや傾斜のある箇所で、安全のため片手はストックに持ち替えます。さらに進み、傾斜もでてくる頃合で、アイゼンを装着。

カワクルミ沼分岐の渡渉点は雪の橋がすでになく、川を渡れず。その次の渡渉予定地点も雪が脆く、渡渉は危ないと判断。スキーヤーの跡も先に続いていることから、さらに先へと進みます。
予定よりだいぶ進んだところに、雪のしっかりとした渡渉点があり、スキーヤー達の足跡もあることから、ここで急斜面を下って、無事渡渉。
ここからは一転して、雪の急斜面をぐいぐいと登っていきます。身体もどんどん暑くなります。
そもそもがバリエーションルートですが、渡渉箇所も予定より変更となったことから、途中二箇所に目印の細引等を木に結びます。

高度が上がるにつれ、圧倒的な雪山の景色が眼下に広がります。涼しい風が頬を撫で、しばし景色に見惚れます。
シール登行のスキーヤーも、雪の急斜面をぐいぐいと高度を稼いでいきます。
稜線に出ると、見渡す限りの雪山の景色を堪能。山頂も近いと、期待も高まります。

ところどころ、雪の穴が開いており、下の薮が見えています。うっかり踏み抜くことも。
とここで、眼前に藪が出現!両側は切れ落ちており、ここを進むしかない模様…。覚悟を決めて、アイゼンで薮ゾーンを半分ヤケクソで進みます。が、アイゼンがひっかかり、転んで一回転したりと、ベテラン勢以外は悪戦苦闘、なかなか進まず…。

やっとこのとで薮を抜けると、あとは山頂まで緩い傾斜を一直線。
ようやく山頂に到着すると、そこは360度の雪山の眺望がぐるりと広がっています。すぐそばの月山、彼方に鳥海山から、朝日連峰、蔵王…等々。
先着も数名おり、さらに登山者、スキーヤーが一人また一人と登ってきます。
▲山頂からの眺め(撮影Yamamura)

しばし山頂を味わい、休憩の後、下山開始。
お約束の、避けては通れぬ薮とも、またまた格闘。
下山は雪山の雄大な景色を楽しみながら、雪の斜面を滑落しないよう気をつけつつ、高度を下げていきます。


途中、目印のスリングは回収できたものの、細引の方はなぜか目途の箇所に発見できず。
無事渡渉した後、アイゼンを外してさらに下ってゆきます。予定より早めに、ネイチャーセンターに到着。
歩いて宿に向かい、バスまで一時間の余裕を確保。着替えたり、黄金の液体?で喉を潤したりと、一息入れてから帰途につきました。
天気にも恵まれ、上々の春山残雪期登山を楽しめました。
おまけ:
K.Kさんが、道の駅でゲットしたこごみと行者にんにくを皆に分けて下さいました。帰宅後も皆のつくレポで盛り上がりました〜。

🔳コースタイム】
志津温泉上ゲート6:07→6:10ネイチャーセンター→10:13湯殿山→12:40ネイチャーセンター→13:25志津温泉
【歩行時間】4時間30分